ウイルス感染症の話し [感染制御]
このブログでは主に医療関連感染の情報に触れていますが、市中での感染も大きく関係があり重要です。
医療従事者の皆様は、どんな情報源をお持ちですか?
感染症は微生物がその原因となりますが、寄生虫、真菌、原虫、スピロヘータ、細菌(グラム陰性・陽性/球菌・桿菌)、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、ウイルス(DNA/RNA)、プリオンなど大きさや形状などから区別されています。
町田和彦 感染症ワールド 第二版 早稲田大学出版部
細菌については、光学顕微鏡で見ることができたり、培養することができるものが多いので確認しやすいのですが、ウイルスはちと勝手が違います。
まず圧倒的に小さいため、電子顕微鏡でないとその姿は確認できません。多くの場合、ヒトの血清中の抗体価測定や抗原検査でその罹患を確認します。
その罹患時期と抗体価の上昇のスピードの順番の違い等で、IgM、IgA、IgGなどの免疫グロブリンのタイプが異なります。
検査方法は、HI法、CF法、PA法、EIA法、ELISA法、RIA法、CLIA法、ウエスタンブロット法、PCR法などその目的に応じた様々な方法があります。
罹患の確認で注意が必要なのは、検査による抗体価上昇までにタイムラグがあり、罹患しているにもかかわらず抗体価が上昇していないという「ウインドウ期」という時期があるので、それを見過ごさないよう、身体所見や症状に合わせた感染拡大防止のための予防策が重要になってきます。
感染が判明してからでは、判明までに接触した他の患者や環境、医療従事者を介して既に感染が拡がってしまう可能性があるからです。
下痢嘔吐、上気道感染症の疑いがあった場合には、外来ではすみやかにサージカルマスクの着用を義務づけることや、手指消毒薬の玄関や外来への設置と使用推進が必要です。
また、トイレや手洗い場には液体ハンドソープとペーパータオルなどの設備を確認しておきましょう。
きちんとした手指消毒や手洗いができるように、洗い方を示したポスターを貼付することも重要です。
くしゃみ、鼻水、咳がある患者さんには、ティッシュペーパーを使っていただいた後、手指消毒や手洗いをきちんとしていただかないと、感染症だった場合伝播する可能性があります。
外来には、咳エチケットのためのポスターなどを貼付するようにしましょう。
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