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日本感染症学会・日本化学療法学会参加報告 [感染制御]

10月30日、31日に開催された同会(東京)に参加しました。
インフルエンザやワクチンの話題が多い中、少しニッチな角度で聴講いたしました。



◇真菌の話題の中のコクシオイデス症は、北中南米に多く発生する真菌症で、土中に棲息し講演によれば「世界で最も病原性の高い最強の真菌」と呼ばれている感染症です。大量の土埃などと一緒に胞子を吸入することなどで肺炎を起こします。アリゾナをはじめとする渡航歴が診断の決めてです。同様な旅行感染症としては、ヒストプラズマがあります。密林や洞窟探検ツアーなどで、コウモリの糞に生える胞子を吸入して感染するそうです。こちらも渡航歴が重要な決めてになります。他にも、蚊を媒介とするマラリアやデング熱、ダニを媒介とするバベシア症などに注意が必要とのことです。

◇STD(sexually transmitted deseases)は、性行為の多様化、受診方法の多様化により、発見が遅れて蔓延する傾向があるそうです。
ヘルペスや梅毒は口腔外科、クラミジアや淋菌は耳鼻咽喉科、発疹は皮膚科、直腸は消化器科などを受診されるようです。
一般的に内科などでは問診時に性交渉や具体的な方法については聴きません。該当する症状がみられるときにはクローズドクエスチョン(Yes/Noで答えるような問いかけ方)で、絞り込んでいくことも必要だと演者は強調されていました。

◇NICUにおいては、高湿などその特性から環境の微生物が定着しやすく、高頻度に手指が接触する表面の除菌清拭は交差感染防止のために重要です。
カーテンも高頻度に接触する表面なので、触れたグローブをはめっぱなしにするのではなく、処置前に手指衛生とグローブの交換を徹底すべきということが強調されていました。
しばしばPHSも問題となりますが、処置中は他のスタッフに手渡しておくという方法が良いようです。PCやコール、PHS、MEのスイッチ、点滴などは見落としがちで注意が必要です。

(Infection Prevention Professional 第三号より)






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