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第10回明日をめざして・・・感染防止対策を考える会(Report) [感染制御]

2008/10/25、「感染制御の歩む道」と題して、第十回の本会が開催され参加してきました。



プログラムは、
基調講演「感染制御のこれからの展望」東京医療保健大学学長 小林寛伊先生
教育講演「感染制御の最近のトピックス」東京医療保健大学教授 大久保憲先生
特別講演「医療現場における滅菌保証の最新の話題」大阪大学医学部附属病院 高階雅紀先生
招待講演Ⅰ「カナダにおける感染管理に関する現状の課題」VancouverGeneralHospital Linda Kingsburry ,RN,RScN,CIC
招待講演Ⅱ「ドイツにおいて要求される現行国際規格に準拠した医療機器の再生処理」
Anke Carter ,ConsultantHealthcare DGSV会長



小林先生からは、最近の海外のTopicsについてお話がありました。
同室者への多剤耐性菌の移行伝播(カナダ)、市井型MRSAの増加(米国)、鍼灸の針を介してと思われるMRSA感染、クロストリジウム・ディフィシレの環境残存と環境の消毒、手指衛生についてなど幅広くご紹介いただきました。



大久保先生からは、最近の国内のTopicsについてお話がありました。
国内関連認定制度の現状理解、CJD対策、新型インフルエンザ対策、各種マスクの性能比較と考え方などについて解説いただきました。



高階先生からは、材料部における洗浄と滅菌について改めて基本的な事項をお話いただきました。酵素洗剤は温度が重要であること、洗浄の前に消毒すると固着して落ちなくなるので行わないこと、フラッシュ・ハイスピード滅菌は緊急時など限定的に使用することなどを強調されていました。最後に、有名な映画のクライマックスシーンの台詞を引き合いに出され、ガイドラインと現場マニュアルの使い分けについてお話されていました。



Linda先生からは、カナダの現状や考え方、トライアルについてお話がありました。
手指衛生のキャンペーンをやった時のエピソード、医療従事者の教育、環境管理の評価に紫外線マーカーを用いること、各種サーベイランスの状況、カナダのガイドラインなどについて概説いただきました。また、ThirdpartyにおけるSUDの再処理についてもご紹介いただきました。



Anke先生からは、ドイツにおける医療器械再生の品質保証の考え方について詳説いただきました。医療機器の輪"Medical device circle"をPDCAに基づいてまわしていくというお話でした。また加えて、ドイツの滅菌技師教育についてもお話いただきました。レベル1~3までその講義の内容や時間までご紹介いただきました。



講演後、パネルディスカション形式でQ&Aの時間がたっぷりとられ、日頃困っていることや講義内容についての闊達な質疑応答がなされました。



先日のY'sセミナーとは趣向が異なり、サクラ精機さんのこのセミナーは、中央材料室での滅菌の質保証を中心に展開されています。普段病棟や外来でのケアを中心に感染対策を行っている医療従事者にとっても、なかなか見聞きする機会が少ないかもしれません。
そういう意味でも、洗浄や消毒、滅菌についての基本的な考え方を理解したり、現状の問題を理解するのにはとても良い機会だと思います。



尚、後半お二人の講演には、イアホンでの同時通訳がつきます。



是非、次回参加されてはいかがでしょうか。


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